コンピュータの普及率が90%を越え、インターネットの利用率が97%を越えています(内閣府「消費動向調査」による)
ほぼ一家に一台というような状況となっております。マンションによっては最初からインターネット環境を設備しているマンションも増えていています。
また、携帯電話などの普及により、インターネットの利用率も100%に近くなってきています。
そのような状況の中で、マンションの管理組合でホームページをもっているところも増えてきました。
その目的とメリット、デメリットを事例を交えながら、ご紹介していきたいと思います。
管理組合のホームページを作成するにあたり、ホームページを作成する目的はなんなのだろう
一般的に企業がホームページを作成するということは、そのホームページを作成することで、企業の広告活動の大きな部分を担うことにより、企業の認知度をあげたり、商品の紹介を魅力的にすることで商品の購買につなげることが目的になります。
また個人で作成するホームページは個人の趣味や生活の記録であったり、そのホームページに来る人たちへの情報発信であったりします。
では、管理組合の作成するホームページの目的とはなんでしょう?
もちろん、企業のように商品の販売が目的ではありませんし、個人のホームページのように私的な情報発信が目的でもありません、が、情報発信をするという意味では同じ目的とも言えます。
ただ、何を情報発信するかということと、その情報発信をすることで得られるメリットが企業や個人のホームページとは異なってくるのではないかと思います。
すでにホームページを作成している多くのマンションの場合、管理組合の概要、管理組合の活動履歴、規則・細則等の案内、届け出書類の案内、総会・理事会の情報、防犯・防災の情報、自治会サークル等の活動案内、暮らしに関する近隣情報、町の文化・歴史等の情報、居住者専用のページ等々を作成することで、管理組合に対する理解と協力をお願いしたり、住民へのサービスや住民同士のコミュニケーションを図ることを目的としています。
また、大規模修繕を行うことをきっかけに、その工事の進行状況や、工事の推移をお知らせするためにホームページを作成される場合もあるようです。
また、関西のあるマンションでは、阪神大地震からの復興の様子をホームページで公開しながら住民の皆様とのコミュニケーションをとる手段にされている場合もあるようです。
そのように情報を発信することで、次の項で述べる、メリットが生じてくるのだと思います
ホームページを作成する目的は、漠然とご理解いただけたかと思いますが、では具体的にどんなものがあって、どんなメリットがあるのかということです。
これは、各管理組合様の環境や主たる目的によって少しずつ異なってくるのでしょうけれど。
一般的に、ホームページの利用方法として以下の様な項目を作成利用することができます。
1.管理組合の概要
2.管理組合の活動履歴
3.組合からのお知らせ
4.規則等の案内
5.届出書類の案内
6.総会・理事会の情報、報告
7.防犯・防災の情報
8.自治サークル等の活動情報
9.住民利用の掲示板
10.施設スケジュール管理情報
11.地域情報のお知らせ
12.広告配信
13.住民利用のSNS
14.マンションの記録簿として
15.マンション住民の安全管理
他にも管理組合と住民間のコミュニケーションツールとして、情報共有の場として様々な方法で利用が可能です。
以上の項目を作成することによって以下のようにメリットが生じます。
1.住民の皆様の情報共有
管理組合からのお知らせ、報告をホームページ上で掲示する事ができます。
組合の議事録、管理規約などをホームページ上で簡単に共有できます
個別に回覧板等を回さなくても、ホームページを閲覧することで、住民の皆様への情報が
共有できると同時に、記録として残すことも可能です。
2.住民同士のコミュニケーション
掲示板、SNSを利用して住民同士のコミュニケーションを図る事ができます。
また、自治サークルのお知らせ、会員の募集などをホームページ上で公開する事で
コンピュータ上だけでなく実際のコミュニケーションツールとして活用できます。
3.管理組合の運営強化
組合の活動報告、施設のスケジュール管理等をホームページ上で行うことで、管理組合の人的負担の軽減を図る事ができます。
目的の項で書きましたが、大規模修繕の記録や災害からの復興記録を見て他のマンションの管理組合からの問い合わせがあり、それを機会にマンションの管理組合同士での情報交換をされている組合様もあるようです。
また、地域にあるマンションに関係した業者様からの広告配信を行い広告収入を得ることで運営費用の軽減をすることも可能と思います。
4.住民サービス
地域情報のお知らせ、自治体からのお知らせ、防犯、防災のお知らせを掲載することで
住民の皆様への情報サービスを行うことができます。
マンションに関係した業者からの広告配信等を利用して住民の皆様に有効な情報を掲載できます。
また、掲示板等を利用して一人暮らしの方の安否を確認するシステムも構築可能と思います。
同じく掲示板等の利用で住人様へのサービス向上のための目安箱のような役割や、アンケートをとるツールとしての利用も行えます。
5.マンションの記録
マンションの修繕等、どのようなメンテナンスを行っているか、どのようにマンションが経緯してきたのかを記録することで、過去を見直すことができると同時に、マンションの資産価値を高めることができるのではと思います。
ここにあげただけでなく、情報発信の方法、コミュニケーションツールの使い方によって
各管理組合様の無限の可能性があるのです。
ホームページを作成して得られる良いことばかりを書いてまいりましたが、管理組合の
ホームページを作成することででてきてしまうデメリットも当然あります。
そのほとんどが人的負担だといえるでしょう。
ホームページを作成して、さぁできた、これでいいだろうということでは機能している
ホームページとはいえません。
新しい情報の入手、発信、掲示板等の管理等、機能しているホームページにするために、管理組合として新しい情報を発信しなくてはいけません。
ただ、あまりに負担が大きくなってしまうと、情報発信がうまく行えなくなってしまいます。
そのために、どの程度の負担なら無理なくホームページが継続していけるのかを、きちんと打ち合わせ、相談してホームページに掲載する内容を決めなくてはいけません。
あれも、これもと欲張って色々なことをいっぺんに作成してしまうと、必要以上の負担がかかってしまいます。
それと、ホームページのメンテナンスの容易さを意識したページの作成方法を取ることです。
いまでは、簡単に携帯電話を利用しての更新もできるようになっています。
より少ない負担で大きな効果を得られるように、ホームページ全体の構成、作成方法を考える必要はあるかと思います。
管理組合のホームページを作成することで、色々な住民サービス、情報発信、コミュニケーション手段がとれることが、多少でもご理解いただけたのではと思います。
また、今回ご紹介したのは情報発信の手段としてのホームページであり、その使い方、作成方法によって、もっと色々なツールとして活用することが可能だと想像します。
各管理組合様の独自のホームページ活用するひとつのきっかけとなれば幸いです。